東京の
医療機器販売会社が、
自社の
消毒液を
使わないと
機器が
動かない
仕様にして
製品を
売っていたのは、
独占禁止法が
禁じる「
抱き合わせ
販売」にあたるとして、
公正取引委員会が、
会社に対し、
法律が
規定する
行政処分で
最も重い排除措置命令を
出す方針を
固めたことが、
関係者への
取材で
分かりました。
東京 港区にある医療機器販売会社「ASP Japan」は、2019年にアメリカの製薬大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」から事業を引き継いで内視鏡の消毒用の機器を販売しています。
公正取引委員会は、「ASP Japan」が、内視鏡の消毒用機器を売る際、自社製の消毒薬のパッケージにつけたバーコードを読み取らないと動かない仕様にしていたことが、独占禁止法が禁じる「抱き合わせ販売」にあたる疑いがあるとして、おととし12月、立ち入り検査を行いました。
関係者によりますと、こうした販売手法は、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が事業を行っていた2017年ごろから行われていたとみられていますが、公正取引委員会は、市場の競争や、顧客の選択を妨げる行為だと認定し、「ASP Japan」に対し、再発防止などを求める排除措置命令を出す方針を固めたということです。
排除措置命令は独占禁止法が規定する最も重い行政処分で、公正取引委員会は今後、会社の意見を聞き取ったうえで最終的な決定をするものとみられます。
公正取引委員会は「ジョンソン・エンド・ジョンソン」の日本支社にもおととし、立ち入り検査を行っていますが、現在は問題となる機器の販売をしていないことから、行政処分は見送られる見通しだということです。